栄養 2006年12月

1人暮らしをしていると、3度の食事をとらなくなるものです。それでも内容には気を使っているわけで、バランスよく食べるようには心がけています。

食事は生きることと密着しているので、食事療法なるものがあったり、はたまた食育などと言って食事習慣の質向上が叫ばれていたりするわけです。食べなければ死んでしまうので、誰でも多かれ少なかれ食べることには興味を持っているでしょう。

けれど、大事なことで意外と誰も気にしていないことに一つに「頭への栄養」があります。「人はパンのみにて生くるにあらず」ではありませんが、エサさえあれば特に不自由なく暮らす動物と違い、人間は基本的にそれだけで満足しません。音楽やスポーツなどの趣味から人との関わり合い、書籍、TV、ネットにわたるまで、あらゆる知識と経験はその人の精神になんらかの作用を及ぼします。

そう。それはちょうど、からだにおける食事の影響と同じように。

食べる量が少なすぎれば体の働きは低下し、食べ過ぎれば肥満を招き、ジャンクフードばかりでは変調をきたし、酒を飲みすぎれば肝臓を壊し、塩分を取りすぎれば循環器系の疾患を招く。

それと同じく、見たり聞いたり、経験したりすることは全て自分の精神に何らかの作用を引き起こす。それなのに、見るものがTVだけだったり、噂話ばかりの週刊誌だったり、ゲームだけだったりすれば、それがどんな毒性を持って作用するか怖いくらいです。食べ物ならば結果は目に見えて分かるけど、頭の中身はそう簡単には現れません。

その中でも書物はもっとも精神への栄養価の高い(影響の強い)ものの一つです。親の世代と比べて多くの人が本を読まないことにちょっとした危惧を覚えますが、あなたは本を読んでますか?読んでいるなら、どんな本ですか?気晴らしや楽しみのためというのももちろんですが、食べ物に気を使うほどに本の内容に気を使ってますか?

僕はマンガだろうが小説だろうが何でも読んでしまうタイプだけど、昔は小説がほとんどだったのに対して、今は理工系の本が6割以上を占めている気がします・・・。あー、もっと普通の本が読みたい!しかし時間が。。。

「家に本なきは、人に魂なきが如し」(セネカ
「友を選ばば 書を読みて 六分の侠気 四分の熱」(与謝野鉄幹

本を読むことは大事です。本を読むという行為はある程度慣れが必要なので、最初は映画の文庫化されたものみたく、好きなものから読んでは?