彼の名は 2008年03月08日
久しぶりにあの本が読みたくなった。
後輩に貸してしまって、ずっとそのままになっているあの本。
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神は死んだ!
こう叫んだ男がいた。
人が神に隷属していた時代。
神の名のもとに、人は家畜のごとく飼われていた。
家畜は柵の外に憧れながらも、今の生活から抜け出すことはない。
そして柵の外に生きる存在に、激しいルサンチマン(怨恨)を覚える。
もはや人は神にすがるのではなく、
人それ自身が神に、いや、神々の如き存在になるのだ!
それが超人たる彼の教えであった。
人は誰の力でもなく(たとえそれが神であろうとも)
自分の力で立ち上がらねばならない。
押しつけられた道徳によって、自己矛盾をきたしてはならない。
権力への意志…
それは生の創造。
自身の生きる世界を、自分自身が構築する試み。
生よ!死よ!挫折よ!罪悪よ!
恥辱よ!孤独よ!醜悪よ!愚劣よ!
汝ら、また来たれ!
我は再び、汝らを歓迎するであろう。
我が死に際して、我は死に向かってこう言おう。
「この人生が――
かくの如きものに満ちた人生が――我が人生であったか?」
そして言おう。
「然り。いざ!いま一度!」
一切のものがあったままで、我はもう一度同じ人生を生きよう。
そこにあるのは、
全ての肯定。
生への意志。
この人生をあるがままに生きんとする勇気。
彼(か)を愛せ、笑え、喜びに踊れ!
彼はこう語った、
彼の名はツァラトゥストラ。