usuful unreality 2007年12月18日

中学では比較的好きで、
高校ではついていけなくなり、
大学で認識をあらためた。
僕にとってのそんな教科。

理解できたなら、きっと嫌いではないのだろう。
自分がどこまで分かるのか、知らないけれど。

高校では因数分解が原因だったな。
僕の通った高校は中高一貫で、進学クラスはそれでなくとも
授業のペースが早かった。
後に一通りのところまではなんとか追いつくことができたけど、
一度根ざした苦手感は抜きがたい。予習復習の習慣があればよかったのに。

よく数学は、「美しい」とか「完成された」とか言われる。
自分の周りの数学が好きな人間が、
精錬された公式や解法に対してそう評するのも聞いた。

昔、疑問に思ったこと。
「なんで1+1は2なんだろう?」
大学で数学について学んだとき、ようやく分かった。
答えは、「初めに計算を考えついた人がそう決めたから。」
当然のことなので呆れられるかもしれないけど、これが答えだ。

1+1が1でも、3でも、10でもいい。
ただ、「1+1が2」が信じられているのは、
数字と四則演算で作られる「計算の仕組み」が、
役に立ち、便利で、現実の事象に即すことができたからだ。
それだけにすぎない。

例えば、三角形の3つの角度の和は180°と決められている。
いわゆるユークリッド幾何学だ。
しかし、仮定としては180°を超える事も下回る事も可能だ。
どういうことかと言えば、三角形を描く面を、
平面のかわりに球面に設定すればいい。
外側に三角形を描けば、その内角の和は180°よりも大きくなるし、
内側に描けば180°よりも小さくなる。
曲面の曲率でその内角の和は決定される。
当然こんなことは既に考えられているので、リーマン幾何学と名付けられている。
つまり、仮定(公理)の設定から、矛盾なくある世界が導かれば良いのだ。

人間は記号を通さなければ、理解(もしくは思考)を行うことができない。
その意味で、言葉や言語は数学と共通する。
様々な要素が複合的に関連しあって構成されている、
この複雑なシステムである現実を、
ばらばらに、単純化し、規則化して、
「人間が理解できるかたちに作り替える」!

ひとは、歩いたり走ったりするのに筋肉の動きを調節する必要はない。
ボールをある位置に投げるのに、弾道計算を行う必要がない。
ただ、そう願い、そうしようとするだけで行うことができる。
そして、強弱やバランスのフィードバックをかけるだけで修正できる。
原始的に必要だった能力は、思考する必要なく知覚できる。

ともかく、数学は「意図的につくられた」世界だということだ。
それ自体は、完成されるように作られた時点で、「完成されて」「美しい」。
矛盾が生まれれば、それを包摂するように修正される。

だからといって、何がどうしたという感じかもしれないけど…
数学であらゆるものが記述できると信じた人は、
こうした僕の理解についてどう思うのだろうか。
そういえば、数学的に「解を見つけることができない」ことが
証明されている数学的命題もたくさんあるんだよなぁ。

仮説から作られる虚構という意味で、数学はパズル。
頭のいい人たちが、その頭脳を振り絞って考えたお遊びの虚構世界。


G
うちの弟が
「何でみんな数学嫌いなのかわからない、数学はこんなに美しいのに」
って言ってたのを思い出したよ。

k
>>Gさん
Gさんの弟さん、数学得意なんだねー。
理解できれば面白いという意味ではTVゲームやスポーツに似ているかも。
慣れて思うようにできてくると、ますますやりたくなります。
でも、数学を美しいと思える人は少数派だよねぇ。思考様式が違うんでしょうか。

O
数学人じゃないけどなんかふむふむとうなずきながら読んでしまった^^
数学かー数独なら好きなんだけどな--

k
>>o
数独もおもしろいよなー。
きっと数学が苦手な人が多いのは、得意な人とそうでない人の差が大きいからなんだろうね。
数学って抽象的な割に、日常で四則演算ぐらいしか使わないから、
慣れとかの問題で考え方を身につけるのに苦労しそう。
実際のところ、数学ってやればできるようになるけど、
その前に苦手な意識がついちゃうのかも。


N
「数学」と言われると正直得意ではありません。
やっぱり苦手…ですかね?途中で理解を放棄した記憶が…

同じ数字だと「簿記」は好きです
帳簿を作成して、最後にきっちり数字が合って締められると凄く満足みたいな。
伝票類の合計計算も手間ですが好きですね。
一発で照合O.K.になってしまうと逆にちょっと寂しい…と思うこともしばしば。
でも現役引退(高校卒業)して日がたち過ぎているので、きっと今やっても大半は忘れてしまっている気がします

k
>>Nさん
簿記ですか…僕はやったことないのですが、
自分の周りでは兄や友達でやってましたねぇ、計算機片手に。
数字を並べて計算するのは整理整頓に似ているかもしれませんね。
僕はルーチン的な細かい作業が苦手なので、