還ること 2007年11月09日

幽霊を信じるか否かと言われれば、僕はそんなものいないと言うだろう。
しかし、(わずかでも)幽霊を信じる人は多い。

幽霊の話で僕が一番疑問に思うのは、
“強い想念を抱いて死んだ霊が強い力を持つ”
という話だ。

幽霊自体は、僕は存在しても構わないと考えている。
けれど、だからといって夜の暗闇を怖がることはしない。

僕の持論はこうだ。
「生きているときに力を持ち得なかった者が、
 果たして死んでから力を得ることができるだろうか?(いや無い)」

僕は、生きている状態というのが最も強い状態だと信じている。
悩み、傷付き、苦しみながら、それでもなお前へ進もうとする原動力。
そうした生きようとする力は何よりも力強い。
この世界は、そうした力で満ちている。

湧き出でた水が急流を下り、満々と水を湛えた河がやがては大洋へ濯ぐように、
横溢した力は生命として生まれ、やがて死により還っていく。

その生きた人間に、死んだ霊が害を与える?はたまた護る?
死んだ者にそんな力があるのなら、なぜその力を生きている内に発揮しないのか。
もしも仮に違う次元の存在になったのなら、
それはもはや僕たちに何か干渉することはできないだろう。

そういう意味で、僕は記憶を宿した前世や来世も信じない。
個別に存在する魂が、転生を繰り返しこの世に生まれてくるのではなく、
死んだ命は、宇宙に融けて還っていくからだ。
残るのは生きた記憶ではなく、生命に宿されるのはその生き方<業>。

個性は個性として、自分の生命と他人の生命に本質的な違いはない。
それどころか、自分は全体の部分であると同時に、
全体そのものを体現しているとも言える。



Y
「哲学的だ!」
と、想いつつ読み進め、
「(いや無い)」
吹き出してしまいました。笑
なんて強烈な存在感なんだ、反語表現。

私は霊媒体質じゃないから、特別霊の存在を意識した事は無いんだけど、
「人の想いは物に宿ってこの世に残りつづける」
と、想います。

だから怖いんだぜ。博物館・美術館・寺社仏閣。笑