白痴  2007年02月03日

もうこんな言葉、知ってる人の方が少ないんじゃないのかな。
あなたは意味を知っていますか?

今回紹介するのはドストエフスキーの書いた小説、その名も「白痴」。
この小説によって、作者は「無条件に美しい人間」を描こうとした。
主人公のムイシュキン公爵は生来的に
論理的な判断を下す能力が欠けており、
その治療のためスイスの精神療養所で成人する。
治療によっててんかん以外の症状が完全に回復した公爵だが
すでに両親の死別によって家が没落していたため
他人の好意によって養われる身だった。
そこに遠い親戚から思わぬ遺産相続が舞い込んだため、
その受け取りのためにロシアへと帰国するところから物語が始まる。

人々との出会いの中で、純真で人を疑うことを知らない公爵の
振る舞いは、世俗にまみれた人々に強い印象を与える。
その美しい無垢な心のために全ての人から愛されるが、
しかし人々はそれを白痴???、頭の弱いバカだと決めつける。

ムイシュキン公爵は決しておバカさんなどではなく
実際には適切な判断力と鋭い直感を持つのだが、
作者の描く「理想的な人間」を周囲の人々は白痴と呼ぶ。
そう、ドストエフスキーの慧眼は、
いったいいかなる人物をわれわれは「白痴」と呼んでいるのか、を
冷徹に暴き出し、それを読者に問いかける。







しかし僕の読んだのは新潮文庫版なのだが、カバーの裏側に物語の結末まで堂々と書かれているのには正直萎えてしまう。まるでストーリーなど些末なことだ言わんばかりだ。読むのは2度目だから別にいいんだけどさ。



Y
おっと、新潮文庫版にそんな落とし穴が!
でも稀にあるよね、そういう「大きなお世話!」的文庫裏。笑
きっと、
「話の筋が解っていても、充分鑑賞に値するほどの名作だ!」
という有言のアプローチでしょう。笑笑
でも萎えるからヤメてー。



k
よく知らない作者の本の場合そこを見て買うことが多いからあまりにネタばれだと買う気なくなっちゃうしね・・・。
本の紹介ってなかなか難しい気もするけど。