意味の勘違い (2006.10)

この時は安倍政権だったんだね・・・

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言葉の持つ語感から、その言葉の意味を取り違えてしまうことはよくあります。例えば・・・

「情けは人の為ならず」
「気の置けない」
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」
「流れに棹さす」
役不足

などなど。おっと、全部分かる??


ここで取り上げるのは「政教分離」。
これも日本だと創価学会とのからみでよく言われます。

今日のニュースで
創価学会池田氏と会談 総裁選後に極秘で
というのがあったけど、これのコメントがまた政教分離大丈夫?
みたいな内容ばっか。まぁこんなの取り上げる必要ないのかも
しれないけど、言葉の誤用は避けて欲しいです。
それに上のニュースの題名も「極秘」というよりは
「非公式」だと思うんだが…。
ホントに極秘ならニュースとして出てこないか会談内容がスキャンダラスかのどちらかだろうし。

本題に入ると、政教分離とは
「国家がその体制に宗教的権威を持たないこと」です。
例えば戦前の国体のように、神道の理念から天皇を神と仰ぐ
権威付けによって体制が維持されるような場合のこと。
邪馬台国古代エジプト、中世ヨーロッパの封建諸侯なんかもそうでした。いわゆる祭政一致の政治体制。

政教分離という意味合いから行くと、
政党なり政府なりが宗教団体も含む各種団体に対して
支援をお願いしに行っても問題ないし、
逆に創価学会公明党なり自民党なりを通じて
自分たちの意見を通そうとすることも、
それは他と同じく支援団体として圧力をかけるわけで
国家体制が宗教的権威を振るうということではないから
政治と宗教は分離されている。

もちろん、一国の首相がよくわからん宗教団体へ
お伺いを立てるのは奇妙に思うしなんだか気持ち悪いというのが
普通だと思うので、そういう考えがたくさん出るのは 当然の流れだと思いますが。
言葉の印象としては、政治と宗教の癒着はいけない!みたいな 感じの言葉だし。

まぁそんなわけでこの場合、
「特定の宗教団体が暗然たる権力を持っていて日本は大丈夫なのか」
とか、
自民党の独自性は大丈夫なのか、安倍氏の方針は大丈夫なのか」
あたりが妥当な批判だと思います。

そういえば労組やら医師会とかなら支援団体として
目的が分かりやすいけど、
宗教団体だと何が目的かさっぱり分からないね。
創価学会の場合以前から公明党があったので、
どんな目的で政治支援活動をしてるのか調べた本があっても 良いものなのだが…。
創価学会についての関連本は大概がアンチかシンパの視点から書かれているので(特にアンチはひどい)その教義を含めた客観的な視点から分析を行った本が出されても良いと思う。

***intercept***
政教分離の話でいけば、昨今話題の靖国参拝の方が、
憲法的にはやばいのでは…もとは国家神道だし、宗教の政治利用だし。
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ニュースについて一言。
首相は「父が生前厚誼を受けた」といっていたが、戸田会長の時の首相が岸信介で、代理の娘婿が父の安部晋太郎。 今日は中国首脳との会談だったけど、中国へ行くのにも友好的な対応のために事前に挨拶が必要だったに違いない。


ちなみに・・・

・「情けは人の為ならず」⇒「情けは人の為にならない」という意味ではなく、「人に情けをかけると巡り巡って自分に良い報いが来る」。
・「気の置けない」⇒「油断出来ない」という意味ではなく、「気遣いする必要がない」。親とか兄弟相手に他人行儀できないでしょ?
・「過ぎたるは猶及ばざるが如し」⇒「過ぎてしまったことは仕方ないということ」という意味ではなく、「物事にはほどよい程度があるということ」。
・「流れに棹さす」⇒「流れに逆らう」という意味ではなく、「流れに乗る」。棹を川底にさして船を操るから。
・「役不足」⇒「役目に対して、能力が足りない」という意味ではなく、「能力に対して、役目が軽すぎる」。

けど、もうあまり日常では使われないよなぁ。