カラマーゾフの兄弟より(2007.01)

大きな悲しみを見ることがあっても、
その悲しみのなかでおまえは幸せだろう。
「悲しみのなかに幸せを求めよ」。
これがおまえへの遺言だ。働きなさい。
たゆまず働きなさい。
               ゾシマ長老  「カラマーゾフの兄弟

そう、人の力は悲しみのなかに幸せを見つけることができる。
喜びや、快楽のなかにだけ、幸せがあるのではないのだ。
いつかは僕も、強くなれるのだろうか。
行動と、それによって起こる苦しみや悲しみを、
すべて受けとめる勇気を、
その一歩を踏み出す勇気を、
いつのときも僕に与えてくださいますように。


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彼はひどく落ちつきのない、妬み深い心の持ち主なのだった。
すぐれた能力を十分に自覚していたが、
自惚れもあって神経質にそれを誇張して見せるところがあった。
自分がなにがしかの事業家になることを、
自分なりにしっかりとわきまえていたのだろうが、
彼と非常に仲の良かったアリョーシャを悩ませていたのは、
友人のラキーチンがほんとうは不正直者でありながら、
全然そのことを自覚していないことだった。それどころか彼は、
テーブルのお金を盗むようなことはしないのだから、
結局のところ自分はきわめて正直な男だと決め込んでいた。
そうなると、もはやアリョーシャだけでなく、
誰であれ手の打ちようがなかった。
         ラキーチンの人となりについて  「カラマーゾフの兄弟

まわりを見ると、ときにこのような人間がいるのが分かる。
行為を行わないからといって良い人間とは限らない。
その心根が、悪意に近いものであったなら。
傲慢にも人を見下すようなものであったなら。
自分への戒めとして、恐るるなるべし。


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その娘とは今もどきっとするくらい開けっぴろげな話を
したもんだが、彼女ときたら、ただもうけらけら笑うだけなんだ。
いいか、女ってのはだいたい露骨な話が好きなもんだが、
その娘はおまけに生娘ときていたから、よけいに愉快だったんだな。
                   ドミートリイ  「カラマーゾフの兄弟

女ってのは、いろんな縛りを受けているからなんだろう、
そういう話を好むものだ。
疲れるけど、そういうモードでやったときには確かに盛り上がった。
でも、できれば気のおけない友達づきあいには、
気むずかしくて口べたな自分でも過ごせる相手がいいものです。

そういえば全然関係ないけど、自分の女の好みは
美人タイプというよりもかわいい系の子の方が好き。
美人タイプの人ってキレイはキレイだけど、
あの面長な感じがどうもダメです。
昔それで当てつけなのか嫉妬なのか、
何度か無用な当てこすりをされたことがあるけど、
全然勘違いもいいところ。ほんとやれやれって感じ。


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だがな、いずれはふさわしい人間がふさわしい立場に立ち、
ふさわしくない人間は路地裏に姿を消すというのが
人の世の定めなのさ。汚らしい路地裏だ、
その男にふさわしいお気に入りの路地裏さ。
その路地裏で、泥と悪臭にまみれて快楽をかみしめながら、
自分から進んで身を滅ぼしていくんだ。
                 ドミートリイ  「カラマーゾフの兄弟

この話は堕ちていく自分を語ったものだが、
世に出て名声を博する人、権力者になる人、
仕事ができる人、愛される人、嫌われる人、
平凡な一生を過ごす人、その各人の有りように従って、
必ず、その人にふさわしい場所に立つ。
自分を見ろ!周りを見ろ!
それが満足に足るものなら、おまえは幸福だ。
それが不満ならば、おまえは不幸であり、自分を見つめ直すべきだ。


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おれの信念で言うとだな、どんな女だって、
ほかの女には見つけられない非常に面白いものが
見つけられるもんなんだ。
ただし、それを見つける能力が必要だ。そこが肝心なんだ!
才覚っていったっていい。
おれには醜女なんて存在しなかった。
女ってことだけでもう全体の半分はカバーしているんだ・・・
おまえらには分からんだろうよ!
相手がどんな行き後れだって、ときにはそういうとこが見つかって
おったまげることがあるほどさ。
世間のばかども、なんでまあこれだけの女にむざむざ年をとらせ、
これまでなんにも気づかずにいたのかってな!
                 フョードル  「カラマーゾフの兄弟

よく自分と同じかそれ以下ぐらいの歳の女が、
「どっかにいい男いないかな〜」みたいなことを言うことがある。
けれど、どんな男にも、愛すべきチャームポイントがあり、
それを見れないうちは女としてまだ未熟なのではないか。
少なくとも、それを「いい女」とは言わないだろう。
ま、それは男も同様だけどね。



(2007.01)