堕落(2006.09)

僕の手にできた傷が直った。
それに伴って、僕を苦しめていた恐れや痛みも消えた。
その感情は、感じていたときには確かに僕自身だったものなのに。


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今の気持ちは、虚しいでもなく、ダルいでもなく、無気力。
ほんとに、すべてがどうでもいいか無視してしまいたいくらい。

僕を動かしてきた、あの気持ちはどこ?
探しているのに見つからない。
どこへ忘れてきたの?単調にすごした日々に、削れていってしまったの?
言葉も人の思いも、何も僕にはとどかない。僕は受け取れない。
僕に届くのは純粋に五感のみ。
見て、触れて、楽しい、気持ちいい事を、ただ延々と繰りかえしてたい。
ただ延々と。


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一般に。
恋愛はたくさんしておいたほうがよいという意見をたまに聞くが、
それはどうなのだろうと僕は思ってしまう。
恋愛だけを目的として付き合うのは、楽しいことではあるのだろうけど・・・
若いときの恋愛というのは、どこか盲目的で、
大事なことを見失ってしまいそうだ。

恋愛をたくさんすることで経験が培われるというが、
結婚(というか相手と一生涯の関係を築く)というほど思いがないなら
なにか遊び感覚なようなきがしてしまう。
まぁそりゃ男と女がいればくっつくのは当然の流れなんだけどさ。

こういう基準はアレなのかもしれないけど、
たくさん恋愛をして有名になった人ってドン・ファンくらいじゃないか?
逆にダンテやゲーテベートーヴェンなんかそうだけど、
回数なんかよりその思いの深さのほうが、重要なファクターだと思う。

というより、もし経験といったものが人間として
立派になるという意味合いなら、
立派な人は女をとっかえひっかえしたりしない。
そういうのは、政治や軍事で有名になった人には
好色な人が多いのかもしれないが。

(しかしそれも「世継ぎ」を残す必要があるためでもあるわけで。
ハーレムというのはムスリムの女性の居住するための空間をさす
言葉だが、転じてイスラム系帝国でのスルタン(皇帝)の後宮をさす言葉となった。
だいたい300人からの女がいたりしたところで、そんなのは相手するのが疲れるだけだ。
日本の皇室(男系)も側室がいて何とか成り立っていたようなものだし。)

話が脱線してしまいました。
結局ここに帰結するのかと思わずにいられないが、
自分がどのような人間なのかということしか
豊かな交わりを得られないのだろう。
だって人間、自分と同じ心の性質を持つ人としか
出会い、付き合い、そして結婚することができないんだもの。


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男は男でしか磨かれない−ーー
という言葉がある。これは真実なんだろうか。
男は男によって磨かれる。これは真実だ。

しかし恋愛友情問わず、男と女のつながりで
男は磨かれるだろうか?
正直いって僕にはわからない。
が、僕を触発し成長させてくれた人の中には、
その優しさ、包容力、夢を追う強さ、家族を深く思う心など
僕の心を打つ生き方をしてる人たちがいた。

けれど女性というのは悲しい生き物だと時に思ってしまう。
人生を切り拓く決断力の乏しく、
社会の中では大小さまざまの不可視な縛りが数多く存在し、
一般的な基本評価が外見で決まってしまう。

しかし、魂の輝きがその瞳から溢れ出す人に、
僕は心から愛おしさを覚え、
この輝きがいつまでも強くあり続けるよう願わずに、
そして守ろうとせずにはいられないのだ。


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最近、ブレンパワードというアニメを見ました。
98年くらいにWOWOWやってた富野作品です。
内容的にはブレンパワードという有機組織体ロボットに乗り、
地球の危機をヒロインと救うというストーリーで、
キャラも展開もそれほど面白くなかったのが残念です。

この作品中で好きだったのが、
キャラデザに忠実なデッサンだったことで、
いのまたむつみの絵はそれほど好みではないのですが
アニメにしたときはけっこういい感じでした。
もうひとつは主題歌。
OPとEDのどちらの曲も聞いてて気持ち良くなれます。
EDから行くと以前にも紹介したkokiaで「愛の輪郭」。
これは冒頭のバイオリン(チェロ?)の独奏から始まり、
それに続くまるで祈りのような歌が、僕の心を癒してくれます。
人によっては暗くていやかも。
あと菅野よう子さんってすごいんですね。有名なんだ〜

もうひとつのOPテーマは真行寺恵理という人で「In My Dream」。
こちらは、曲はまぁ普通に素敵な感じですが、
歌ってる人の声がパワフルでいい感じだったのが一つ。
さらに興味を惹かれたのが歌詞で、
「In My Dream 赤いバラの花 部屋中にいっぱい敷き詰めて
 シルクのベットで愛し合おう 朝まで」
なかなかぶっ飛んでます(笑)
少女マンガでしか見ないロマンチックさですねぇ。
でもこういった夢のある想像、好きです。
歌詞を作ってるのが誰かな〜と思って調べてみると
この人が作詞作曲やってました。
そういったわけでこちらも好きです。どちらかといえば元気が出る曲。



(2006.09)