争いは嫌だ(2005.08)

僕の心にあるものは
いつも「他人に勝ちたい」ということ
やがてそれは
誰かが僕を打ち負かすようはたらくだろう

そうではなく、しあわせを
だれかが勝つのではなく、
だれもが勝つような世界を
みながみなでしあわせになるために
ほかでもない、この僕の心に築くのだ


 *************************


コップの中に、塵の沈んだ水が入っている。
誰かがかきまわすと、水は濁ってみえなくなる。
水が濁ったのは、誰の責任だろう?
かき混ぜた人だろうか、塵を入れた人だろうか。
きっと多くの人は、どちらか一方だけが悪いということは
言わないんじゃないだろうか。
けれどこの水を人間にあてはめたらどうだろう。
自分の中にある妬みや恨みや怒りを、
それを引き起こした誰かのせいにだけしてないだろうか。

その原因はしかし、相手だけではないはずだ。
自分のことを棚に上げて、人をあげつらうのは醜い。

戦争やテロは暴力であり、疑いようもなく悪だ。
その原因はしかし、相手だけにあろのだろうか。


8月6日、午前8時15分、
8月9日、午前11時2分、
8月15日、正午。


 *************************


いつからだろう こんなにも昔のことを忘れてしまうなんて
日々の忙しさにまぎれ、幼き日々を忘れてしまうなんて

覚えているかい、あのころは
今と同じだけの苦しみとつらさがあったことを
それから自分を守るすべを知らず、今よりも傷ついていた事を

願わくば私のあとを生きる、いとけなき未来の使者たちよ
私があなたを傷つけぬよう
世界があなたにとって、幸福に満ちたものであるよう
私が苦しんだことを、あなたが力強く乗り越えられるよう


 *************************


自分に自信を持つためには
誰かに僕のことを認めてほしい
けれど僕は不器用だから
弱い自分をさらけ出せない
君に声をかけてもらいたいだけなのに
一人で強がるしかない
人を信頼するほど、孤独になってしまうんだ
結局ぼくはひとりぼっち


 *************************


いまいちばん僕の後悔してること
それは3年前の8月
高尚なことばかり考えて、自分を殺していた
あの日に決めたんだ
守るために怒りが必要なんだということを
頭じゃなくて、ハートで動かなきゃいけないことを

今でもどんなにか情けないだろう、あの時の自分が。




(2005.08)