そういう可能性もあるよね(2005.07)

「Peace is endless struggle.」

−−−−平和の反対語は何ですか。
平和に対する言葉というのは非常にたくさんあると思います。
平和というのは単に戦争のない状態を意味するのではないからです。
挙げるとするならば飢餓、貧困、無知、暴力、残虐性などです。
 戦争に勝利者はいない。すべての人が敗者なのです。
平和がなければ私たちは生きることができません。
動物も植物もなければ平和ではないということです。

「平和をつくる第一歩は、以下の問いを毎日1回自問自答することです。
すなわち、『どんな社会が望ましいと思うか?』
『どんな人間が望ましいと思うか?』です」。

 カレン・オルセンコスタリカ

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世界には軍隊の無い国があることを知るべきだ。
コスタリカは1983年11月17日、積極的永世非武装中立宣言を行った。
これが可能となった理由としてはコスタリカをとりまく国際状況、外交努力、
それを実現するまでに行われてきた内戦などの国内事情など
考慮に入れる必要があるが、非武装が可能であるという重要な実例だ。
まぁ蛇足だが、当然のことながら国境警備隊や警察は武装している。
また、戦争放棄を明記したいわゆる「平和憲法」は日本独自のものではなく、
第2次世界大戦以来イタリア憲法、ドイツ憲法コスタリカ憲法など
同様の趣旨の憲法を持つ国家は多い。
日本国憲法がユニークなのはむしろ第2項の
「戦力の不保持・交戦権の否認」、つまり日本では軍隊を持たないし、
交戦自体しないんだよといっている。
それに対して戦争の放棄を規定している国々も、
その大半は侵略戦争に備えて軍隊を持っている。
細かいことをいうと、戦争の伝統的な定義は「独立した主権国家うしの武力紛争」であり、
「開戦宣言(宣戦布告)または最後通牒の通告」をもってはじまるとされる。
もっとも、このような形で始まる戦争は、近年ほとんどみられない。
そこで、第2次世界大戦後に制定された国際連合憲章では戦争という言葉を用いず、
「武力による威嚇又は武力の行使」の禁止というふうに規定している。

前回に書いた中で日本の軍隊について触れたが、
はたして日本には軍隊を廃止した場合に国際社会から保護を得られるだけの
積極的な外交努力を行っているだろうか、
または他国侵略時などの危機的状況に対する国民意識
日本が一時的にでも攻撃または侵略を受けた際の世界経済に与える混乱
等を考えた場合に、自衛を行うためにどうしても軍が必要だ。
また前回日米安保条約に否定的に書いたが、現段階では
北朝鮮/日本、北朝鮮/韓国、中国/台湾など周辺諸国有事から
日本を守るために必要だと思う。
ともかく、僕の意見は日本が本当に軍事力を放棄するためには、
国連主導による世界各国の段階的軍事力放棄しかないと考えるため、
日本の外交力を強くするしか本当の平和を実現することはできないと思う。

上のカレンさんの言葉にもあるように、平和とはひとりひとりが
自分の中に作っていく中にしか生まれない。
さまざまな意見があるが、悲しい思いをしないように、安心して暮らせる日常を
作るために、現状をしっかりと見据えた意見を作るべきだ。

平和を叫ぶことは簡単であり、それを思うことも容易ではある。
しかし、その平和を願う心と同時に、人間の中には戦争を起こしてしまう業が
備わっていることも忘れてはならない。
政治に対する無関心、他国に対する理由なき反発心>暴力性、
メディアが完全な中立であると考え、無意識にそれに追従してしまうこと>無知、
どれをとっても危ないことだ。
また、知らずただ平和を叫ぶことも同様に危険なことだ。
その平和の内容とは何?どうやってそれを実現するのか?
軍事化することも危険を大いにはらんでおり、守れるからといって
軍隊を作ればよいというものでもない。

もし日本が軍隊を持たずにいられる方法があるなら、喜んで賛成するのだが。


(2005.07)