アラビアン・ナイト その3

最近はアラビアン・ナイトを読んでます。
日本語訳で千一夜物語
この本はアラジンと魔法のランプの話で有名ですが、
この話だけじゃないんですよ。

あるところに王様がいました。
ある日、后の不倫の現場を発見し、その男もろとも后を殺しました。
絶望に駆られた王は、一晩の共に、毎晩1人の処女と寝、
あくる朝にはその女を処刑することにしました。
そして3年の月日がたちました。
城下には、一人の処女もいなくなりました。
毎晩の共を探すよう命じられた大臣は困り、
自分の娘を差し出すほかなくなりました。
娘は大変賢く、あらゆる国の歴史と物語に通暁していました。
夜になり、王とあるべきことがあったあと、
王に許しを請い、物語をはじめました・・・・

といった感じで始まるお話です。その大臣の娘が、
千一夜にわたるたくさんのお話を続けて王を楽しませ、
ついに許されるというストーリーです。
その中にアラジンのお話もあるわけですねー。
だから長い!なんせ400ページくらいの文庫本で
13巻もあるわけですから。


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悪は最後には常に、
悪人に味方しないことになるからじゃ。

「悪を慎めよ。しかして邪悪の苦き酒筒に酔うことなかれ。
悪人は常に打ち倒されて終わるなり。
広大な海のその表面には、砂漠の鳥獣の骨が漂うを見るとも、
真珠は海底の砂上に、静かに安らう。
清澄の境には、大気の透明なるページの上に、
かく記されてあり、
『善を蒔く者は善を穫り入れるべし。何となれば、
一切のものはその起源に帰るがゆえに。』 」


目に見える世界がいかに広漠で無常に見えたとしても、
真理は常に、物事の見えぬ奥底で輝いている。


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「清く汚れなき魂には、一切のもの、清く汚れなし!」


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「我は恋の杯を飲み、その苦き憔悴(やつれ)を味わえり。
いまははや、我自身の名残りにすぎず、
かくばかり我が身体は衰え果てぬ。
昔日(せきじつ)は我も力溢れたれど、いまや我が活気は消え失せ、
我が精魂の軍は眼差の剣の下に壊滅せり。
試煉なくして恋を遂げうるものと思うなかれ、
何となれば、遠き古えよりして、相反する事物は相近きなり。
恋はあらゆる恋する人たちに法令して曰く、
忘却は背神に等しく違法なりと。」


私の魂はあなたの眼差しの力によって、
砕け散ってしまった。
試煉なくして恋を遂げ得ると思ってはならない。
相反する事柄は互いに惹かれあい、そのために衝突するのだから。
恋する人は、恋する人を常に忘れない。
神を信じない者が神の教えに背くごとく、
恋する者を忘れるものは、恋をしていないのだから。


(2006.04)